概要

550人を対象に行ったインターネットでのアンケート調査で、「ご自身の職場にLGBTに該当する方がいるかどうか?」という問いかけをしました。その結果を性別・年代別にフィルタリングし、一般の方々がLGBTの存在をどのようにとらえているのかを分析しました。

あなたの職場にLGBTは?

前回は個人のセクシュアリティについてのアンケート結果をご紹介しました。その中で、将来的にそうなるかもしれない、という可能性を含めて「自分はセクシャルマイノリティである」という人は、回答者550人のうちの5.2%に相当しました。

引き続き、「ご自身の職場にLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなどの性的少数者)に該当する方はいますか?」というアンケート調査について、考えてみたいと思います。アンケートは日本全国の20~59歳までの男女550人を対象に行われました。(2016年3月16日実施、Letibee調べ)

ご自身の職場にLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなどの性的少数者)に該当する方はいますか?

(回答数550人)

①オープンにカミングアウトしているLGBTの社員がいる

2.7%

②全体にはオープンにしていないようだが個人的にはカミングアウトしてきてくれた同僚、上司、部下がいる

1.6%

③個人的には知らないが社内にはいると思う、いてもおかしくないと思う

23.5%

④自分の会社にはいないと思う

72.2%

この結果から、調査対象550人中、「職場に、何らかの形でカミングアウトしているLGBTの人がいる(①+②)」という人は約23人で、4.2%ほどになります。

また、④の「自分の会社にはいないと思う」と回答した人が72.2%と、圧倒的な多さが目立っています。

さらに、同じ質問について、男女別での回答を見てみます。

<男性>回答数305人

3.3%
1.3%
25.6%
75.1%

<女性>回答数245人

2.0%
2.0%
20.8%
75.1%

男女別での結果をみると、カミングアウト率(①+②)は男性に対しての方が多いことが分かります。そして、「自分の職場にもLGBTの人がいるかもしれない」という可能性に対しての柔軟性も男性の方が高く、女性の方が「自分の職場にはLGBTの人はいないだろう」と考えていることが分かりました。

前回ご紹介したアンケート調査では、女性はよりLGBTに対して柔軟な考えを持っているという結果が出ましたが、現実的な問題として、自分の身近な人にLGBTの人がいるとは考えていないのかもしれません。

次に、詳しく各年代別に回答を追っていきます。

<20~29歳>57人

3.5%
3.5%
31.6%
61.4%

<30~39歳>128人

5.5%
0.8%
18.0%
75.8%

<40~49歳>188人

1.6%
1.6%
19.1%
77.7%

<50~59歳>177人

1.7%
1.7%
29.4%
67.2%

こうして年代別に見たとき、若年層の方が自分の職場にLGBTをカミングアウトしている人がいたり、「職場にいてもおかしくない」と考えていることが分かります。

また、50代で「いてもおかしくない」と考える人が29.4%と意外に多く、これは、職場で上のポジションにいる層がLGBTの受け入れを実際問題として考えているからかもしれません。

残念ながら、「自分の職場にはいないだろう」と考える人がもっとも多かったのが40代です。カミングアウト率も低いので、LGBTについての知識を持って、身近な職場の問題として受けとめる姿勢がまだ十分ではないのでしょう。

そして、各年代・性別ごとに同じ質問の回答をフィルタしてみると、以下のようになります。

<20代男性>15人

0%
0%
40%
60%

<30代男性>60人

6.7%
0%
13.3%
80%

<40代男性>110人

2.7%
0.9%
20.9%
75.5%

<50代男性>120人

2.5%
2.5%
34.2%
60.8%

<20代女性>42人

4.8%
4.8%
28.6%
61.9%

<30代女性>68人

4.4%
1.5%
22.1%
72.1%

<40代女性>78人

0%
2.6%
16.7%
80.8%

<50代女性>57人

0%
0%
19.3%
80.7%

男性では30代、女性では20代で、職場でのカミングアウト率が高いと言えます。

「自分の職場にもLGBTの人がいてもおかしくない」とより思っているのは男女ともに20代。

「自分の職場にはLGBTの人はいない」と考えているのは、男性では30代、女性では40代でした。

調査結果から見えた日本の現状

全体的に、自分が職場でLGBTであるとオープンにしている、あるいは同僚・上司に個人的に打ち明けている人がいるというパーセンテージはまだまだ低く、日本において、LGBTの当事者がオープンにしにくい環境にあることが分かります。

また、非当事者の方でも「自分の職場にはいないだろう」、つまり「自分の身近な人にはいないだろう」という、よそよそしさを持っています。実際に自分の近しい人がLGBTだと分からなければ、「自分ごと」として捉えにくいのかもしれません。もっとLGBTに関することが日常の自然な話題となり、偏見がなくなって欲しいものです。

「自分はストレートだけれどLGBTの人を応援する」という考えの人を、アライ(Ally)と言います。アライであることを示す方法の一つに、多様性を象徴する虹色(レインボー)のアイテムを持つことが挙げられます。

最近では企業や行政でも、「アライになって、LGBTの人たちの居心地を良くしていこう」という動きがあります。例えば、野村ホールディングスでは、LGBTについて学び、情報発信する社内グループがあり、アライであることを表明する虹色のステッカーを業務用パソコンに貼っています。

(引用元:http://www.tokyo-np.co.jp/hold/2015/tayounasei/list/20151201.html

また、大阪市淀川区ではLGBTを支援する「レインボー、はじめました!」というサイトを開設して、情報発信をしています。

(引用元:http://niji-yodogawa.jimdo.com/

LGBTであることをカミングアウトするのも、しないのも、個人の自由です。もしオープンにしていないにしても、LGBT当事者が身近なところにいたら、差別的な発言などで人知れず傷つくことがあるかもしれません。ですから、ストレートの人もまずはLGBTについて知って、自分ごととして考え、カミングアウトできない・したくない人が傷つくことのないような、楽しい職場環境が増えていくことを願います。